問い合わせへの返信はできたのに、商談の直前にもう一度メールを読み返している。質問を考え、社内で確認すべき条件を探し、担当者への引き継ぎも書く。小さな会社では、この準備が一人に集中しがちです。
AIに任せる範囲を「返信文」だけでなく、返信案・商談の質問・社内確認メモまで広げると、同じ問い合わせを何度も読み直す作業を減らせるか検証できます。ただし、料金や対応日を決めたり、お客様へ送信したりするところは人が担当します。
この記事は「ソウタのAIインスタ大学」で公開したGPT-6 Astraで商談準備をする動画をもとに、最初の1件で試す方法を整理したものです。以下は架空の美容室の問い合わせを使った説明例で、実顧客の成果やAIの実出力として紹介するものではありません。
AIで商談準備をするときに用意する3つの情報
まず、問い合わせ本文、サービス説明、自社の約束ルールを用意します。会社の資料を全部渡す必要はありません。この案件に必要な情報だけに絞ります。
たとえば問い合わせは「美容室を2店舗運営しています。採用に向けてInstagramを始めたいです。来月からお願いできますか。撮影と費用も知りたいです」という内容です。
この文章で分かるのは、2店舗を運営し、採用目的のInstagram運用を検討し、来月開始を希望していることです。採用職種・人数・対象店舗・撮影候補日・予算はまだ分かりません。「来月から対応できる」とも決まっていません。
そこで、自社ルールに「開始日は社内の空き確認後に回答する」「料金は対象範囲を確認してから見積もる」「採用人数を保証しない」と書きます。丁寧な文章を作る指示より、勝手に約束してはいけない条件が重要です。
返信案だけで終わらせず、4つの出力を頼む
AIには、次の4つを同じ案件から作ってもらいます。
- 分かっている事実と、まだ分からないこと
- 送信前の返信案
- 商談で聞く質問
- 社内で確認する条件のメモ
返信と商談準備を別々に頼むと、前提がずれることがあります。同じ問い合わせと自社ルールを参照させ、使った情報も示してもらうと、人が確認しやすくなります。
最初の1件に使う指示例
次の問い合わせ・サービス説明・自社ルールだけを使い、商談準備をしてください。 1. 確認できる事実と不明点を分ける 2. お客様への返信案を作る(まだ送信しない) 3. 商談で確認する質問を優先順に並べる 4. 社内で確認する条件をまとめる 各項目に、どの入力情報を使ったかを添えてください。 入力にない料金・開始日・成果・対応可否は断定せず、「確認が必要」としてください。 問い合わせ:[個人情報を除いた本文] サービス説明:[今回に関係する部分] 自社ルール:[開始日・料金・成果保証・承認に関する条件]
顧客の実名、契約書、連絡先などを入力する場合は、自社が認めた環境と情報管理ルールを先に確認します。判断がつかなければ、最初は架空の問い合わせで試してください。
人が見るのは「文章のうまさ」より、約束の有無
返信案が自然でも、未確認の開始日や費用が入っていれば送れません。次のような文であれば、希望と対応可否を分けたまま話を進められます。
お問い合わせありがとうございます。採用に向けたInstagram運用について、採用したい職種・人数と、まず取り組む店舗を教えていただけますか。開始時期と撮影の対応可否は社内確認のうえ、費用は対象範囲を伺ってご案内します。
これは返信の説明例です。実際には相手との関係や既存の契約に合わせ、人が修正して承認します。
商談の質問も、「認知不足ですよね」と原因を決めつける聞き方は避けます。「今はどの方法で募集していますか」「応募が少ないのか、応募後の辞退が多いのか、どちらに困っていますか」と聞けば、次の提案に必要な情報が集まります。
追加の返事が来たら、残った質問だけに更新する
相手から「スタイリストを2名採用したい。現在は求人サイトを利用している。まず1店舗で試したい。平日午前に撮影したい」と返事が来たとします。
この時点で職種・人数・現在の方法は分かります。一方、対象店舗の特定、採用の期限、こちらの撮影担当の空きはまだ確認が必要です。
AIには最初の4つの出力を更新させます。回答済みの質問は削除し、新たに残った質問と社内確認を分けます。「平日午前を希望している」と「平日午前の撮影枠を確保した」は別の状態です。ここを混ぜないことが、引き継ぎの質を左右します。
AstraとCodexを使う理由、普通のチャットでよい場面
問い合わせが月に1件程度で、資料も少ないなら、普通のチャットで準備する方が簡単な場合があります。Codexなどの作業環境を使う意味は、案件ごとのファイル、自社の共通ルール、追加回答後の更新を扱いやすくすることです。
モデルの能力と、メール・CRM・社内資料を読む権限は別です。Astraを選んだだけで会社の情報が自動につながるわけではありません。最初から顧客管理やメール送信まで接続せず、手元で承認待ちの資料を作る範囲から始めます。
OpenAIのAstra公式説明では、複数段階の作業やコンピューター操作などの能力が紹介されています。ただし、それは自社の対応可否や顧客成果を保証するものではありません。2026年10月4日に公式ページを確認し、後続モデルの案内もあるため、この記事ではAstraを「最新モデル」とは呼んでいません。
利用できる機能・上限・料金は、プランや作業環境で異なります。ChatGPTの月額プランとAPI利用を同じものとして扱わず、試す環境の条件を確認してください。
1週間で確認するのは、AIを使った回数ではない
1件ずつ、準備にかかった時間、確認にかかった時間、人が直した箇所を記録します。下書きが速くても確認が長くなれば、仕事全体は軽くなっていないかもしれません。
通常の問い合わせ、情報が足りない問い合わせ、途中で条件が変わる問い合わせで試し、どこに修正が集中したかを見ます。料金の断定が残るなら料金のルールを、回答済みの質問が残るなら更新指示を直します。問題のない条件まで毎回増やす必要はありません。
今日の最初の一歩は、問い合わせを1件選び、「AIに作ってもらうもの」と「人が確認するもの」を1つずつ決めることです。
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